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ソリッドに、ただソリッドに

1990年生まれ。社会の関心事をソリッドに切っていきます

編集者になれないウェブ編集者

昨年末はDeNAのwelq問題というのがありましたが、玉石混交のウェブメディアの中でも質が高く、かつスマホにも読みやすいと感じるものもあります。

 

私が以前から注目しているのはピースオブケイクが運営しているcakesというメディアです。

cakes.mu

 

過去には漫画家の小林よしのりさん、社会学者の宮台真司さん、ゲンロンの東さん、幻冬舎の見城さんなどが登場。ここでしか読めないインタビューなども掲載されており読み応えがある文章がかなりありました。

 

しかし、そのcakesにも異変が起きています。

 

最新のランキングがこちらです。

 

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すべて女性とのセックスにまつわる話です。

 

ユーザ獲得戦略の一環としてシェアされやすいコンテンツを一定比率で差し込んで新規流入をとっていることが考えられますが、最近はそれらのコンテンツがLPのトップになっています。

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ネタのベタ化が進んでいて、編集者の意思が感じづらいPVベースのメディアに成り下がっている感は否めないです。

 

週刊誌やワイドショーのような耳障りいいものを丁寧に作っていくメディアになってしまうのでしょうか。

 

今後の方針に期待します。

イギリスのEU離脱における偏向報道について(投票結果がポピュリズムによる動員と言う資格はマスメディアにない)

先日、このブログでも取り上げたがイギリスのEU離脱に関する報道があらゆるところでされている。

fujishuu21.hatenablog.com

前回はEU離脱に対する国民感情の話がメインだったが、今回はメディアについて論じる。

 

イギリスのEU離脱によるマイナス感情

EU離脱に投票した人の中には「もう一度投票を」と考える人も200万人以上いるとの報道もあり、国民投票の結果を悲観する声が多く聞こえる。そして、その後悔についての極めつけのニュースが以下である。

mainichi.jp

離脱に投票した人の中には、EU加盟国として支払っている拠出金である週3億5000万ポンド(約480億円)を国民医療サービスにあてるとした離脱派の発言を参考にして投票した人も多いはずだ。

日本でも安部総理が先日、新しい判断として消費税増税を先送りするなど公約違反があったが今回の国民投票においてもそれ以上に大きな問題として話題になっている。

 

イギリスのEU離脱で喜んでいる人はどこに?

すでに述べたことは連日ニュースで大きく取り上げられていることである。ニュースだけ見ると圧倒的に残留がよかったという声ばかりだ。しかし、国民投票の結果では51.9%の人がEU離脱を支持して投票している。しかも、65歳以上に限っては60%もの人がEU離脱を支持しているのがわかる。EU残留EU離脱については、若者と高齢者、都心と田舎、エリートと反エリートなどの対立軸で語られることが多い。

http://livedoor.blogimg.jp/drazuli/imgs/3/f/3f2a9fb9.png

 

公平・中立をうたうメディアはどこに?

http://www.newsweekjapan.jp/stories/assets_c/2016/03/webw160315-thumb-720xauto.jpg

主要メディアが都心のエリート層ということもあり、EU離脱のデメリットの焦点をあてた報道が目立つ。結果からは51.9%の人がEU離脱を支持しているので喜んでいる人は多いはずだが、そこに焦点があたった報道を見ることはほとんどない。

今回の報道のようにEU離脱反対派だけの意見を重視して取り上げるのは公平・中立をうたうメディアとしてはいかがなものかと思う。そして、国民投票の結果をポピュリズムによる動員というのであれば、世論をEU離脱から大きくEU残留に引き戻すような偏向報道ばかりをしないでいただきたい。双方の意見を偏向なく伝えようと努力することが本来のメディアの在り方である。

映画『葛城事件』から学ぶ(意識高い系の若者に見られがちな誇大妄想のやばさ)

6/18(土)から新宿バルト等で上映されている『葛城事件』。フィクションでありながら実際に起きた無差別殺傷事件を参考にしている。無差別殺傷事件の悲惨さもそうだが、何より恐怖を感じるのは”リアル”な若者を描いているところである。

 

昭和的な家父長制の父親による抑圧

http://www.cinra.net/uploads/img/news/2016/20160323-katsuragijiken03.jpg

葛城家の父を演じる三浦友和は昔ながらの家父長的な父親として家庭を支配する。妻を演じる南果歩は子ども想いの優しい母親だが、父の言うことには何も逆らえずに従うのみ。

長男を演じる新井浩文は、父の教えの言いなりになる母を身近に見てきたせいか、どのようにしたら父に評価されるかを気にしながら生きている。次男を演じる若葉竜也は大きな夢を持つが、社会にうまく適応できずに引きこもっている。

積み重なったものが爆発して、家庭が崩壊するという物語はさして珍しいものではないが、この映画を"リアル"なものとしているのは2人の若者である。

 

「一発逆転して見せますよ」

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1人目の若者はこの物語で殺人事件を起こす次男。うまく社会に適応できずに何度もバイトをやめて引きこもる。そんな彼を見て、父は「お前が甘やかしすぎたためだ」と母親に強く当たる。次男は怒りを表に出す事はせずに「いつか一発逆転のでかいことをして見返します」と我慢しながら味方である母親にだけ心を許す。

兄のあっけない自殺を目の当たりにして吹っ切れた次男は「一発逆転をする」と言って、大型の刃物を手にして駅に出かけるのであった。

 

この映画の一番凄いのは田中麗奈演じる順子の存在

http://katsuragi-jiken.com/cast/img/p5_ph.png

2人目の若者は殺人事件を起こした次男と婚約する田中麗奈演じる順子。主要人物の中では、唯一家族でない彼女は死刑廃絶を訴える団体のメンバーである。

次男が殺人事件を起こしたのは本当の愛情を受けて育たなかったことであり、自分の手によって彼を更生させると誓う彼女。まったくの部外者である彼女はこの映画では何のバックグラウンドも語られないが、死刑廃絶という信念に向かって行動をする女性である。

これだけ聞くとまともな人間のように聞こえるかもしれないが、彼女の存在が一番怖い。死刑という制度が世の中を悪くしていると絶対的に言い切り、次男の死刑判決がほぼ確定しているというだけの理由で自分の家族を捨て、見ず知らずの殺人者と婚約をしてしまう女である。

 

身近な愛に未来はない、やるなら世界を変える

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大勢の人を殺した次男と死刑廃絶を訴える順子。2人の若者は一見似ていないようであるが、考え方はとても似ている。

人の心が動く時は身近だと感じる何かに対して心が動くものである。見ず知らずの国の誰かが戦地で苦しんでいるよりも、隣にいる友が倒れている時に手を差し伸べたくなるのが健常な心のあり方だと思う。

しかし、この映画に登場する次男と順子は身近な存在には心が動かない。世を変えるためには大きな何かを成し遂げる必要があると考える人である。夢は大きい方がいいというが、身近な人間のことを考えられない人間がなにかを変えられるだろうか?

 

夢だけは大きい若者、そのほとんどが周りに無自覚

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次男と順子に似た若者は多く存在する。

・身近な仕事には熱が入らないが夢を語る若手社会人

バイト先で炎上写真をアップする学生

・家から出ないが、世の中のことを語るネトウヨ

上記の誰もがこの映画の次男や順子と似た存在であり、とてもどこか遠い世界で起こっている出来事とは思えない。

意識が高い、自分は間違っていないと思っている若者の誇大妄想は今後、日本のあらゆるシーンで目立っていくことになるだろう。

 

合理的判断と感情的判断の違い(イギリスのEU離脱と舛添辞任から学び、トランプ米大統領就任を予想)

先日、大きなニュースが世界中を驚かせた。

news.yahoo.co.jp

評論家の事前の予想とは大きく違う結果となった。ブックメーカーでも2:8でEU離脱よりもEU残留支持が多かったので、多くの人にとって驚きだった。この記事では今回の読み違えがどうしておこったか?今後どのような流れになっていくかを述べる。

イギリスの国民投票は合理と感情の闘い?

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今回の国民投票合理と感情の闘いだったと例える評論家が多かった。

事前の見解では合理的な判断をすれば「二度にわたる世界大戦で傷ついたヨーロッパの平和を願って結成されたEUからの離脱はない。また、経済面でもイギリスが離脱した際のデメリットのほうが大きい。」としてEU残留を予想していた。ただ、今回の結果をみると合理的判断ではなく、感情によりEU脱退に流れたと多くの評論家は語っていた。

しかし、今回のイギリス国民の判断を不合理な判断と片付けていいのだろうか?

 

捉えきれていない国民感情〜舛添辞任から学ぶ〜

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イギリスのEU脱退は"感情的な判断"="不合理な判断"なのか?この考え方を多くの知識人がしていることが誤りだと感じる。

先日、東京都知事舛添要一が海外出張に多額の公費を使用していたことやその説明責任を果たさなかった事により、都民感情を逆なでにして辞任に追い込まれた。

「ルールを守っているので問題はない」と合理的に語っていた舛添の考え方と今回のEU離脱を予想できなかった評論家の考え方は非常に似ている。

 

「人は全体の幸福や歴史での位置づけに置いて合理的な判断をするのではない。自分の現在の感情をより良くするために合理的な判断をする。」

 

上記を理解していない知識人が多い。個の不満は溜まっている。今回のイギリスの問題で言うと若者や金融業界人以外、特に地方の年長者がイギリスがEUに包含される事に対して多くの不満を持っていたことがわかった。

 

グローバルにとっての合理的な選択が最適な判断とは限らない

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イギリスのEU離脱やトランプ支持をポピュリズムで片付ける人がいるが、そこは大きく間違っている。

今はどの国も国際的にリベラルな方向ではなく右傾化している傾向がある。イギリスのEU離脱は右傾化を代表する出来事だったが、アメリカのトランプも拝外的な発言を中心に国民の感情を掴んでいる。

私はトランプが国民の感情を掴み、アメリカ大統領になると予言する。これをポピュリズムと片付けるのではなく個人の感情にとっての合理性と考えないと、今後も想定外を多く繰り返す事になってしまうだろう。

エクス・マキナは知的好奇心をくすぐる良作(『her/世界でひとつの彼女』と『2001年宇宙の旅』を見事に昇華)

2015年にイギリスとアメリカで公開された映画『エクス・マキナ

制作費15億円。ハリウッド映画としては低予算ながらも第88回アカデミー賞視覚効果賞を受賞して話題の作品となっている。

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日本では2016年6月からミニシアターを中心に公開が始まったので早速鑑賞してきた。なお、以下の感想・解説については多少のあらすじも記載しているが、鑑賞の前に読んでも差し支えない内容なので鑑賞前のかたにも安心して読んでいただきたい。

 

初体験の相手は人工知能

www.newsweekjapan.jp

上記の記事は最近話題になった記事だが、『エクス・マキナ』からも同じような未来が想像できる。主人公の青年がロボットを相手にチューリングテストのように会話を重ねてロボットを評価していく。しかし、ロボットに対して次第に恋心が芽生えていくことになる。

 

her/世界でひとつの彼女』では人間が試される

ここで1つ別の映画を紹介する。2014年に日本でも公開されたスパイク・ジョーンズ監督の『her/世界でひとつの彼女』をご覧になっただろうか?

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この映画は離婚した男性がOS(オペレーティングシステム)との会話をおこない、次第に恋に落ちていく話である。OSの声はスカーレット・ヨハンソンの甘くハスキーな声であるため、見ている側も彼女に引き寄せられていく。

なによりOSは自分の思い通りにならない人間とは違う。どのように振る舞うと相手が心地よくなるかを数々のデータから導き出し、そのとおりの言葉を投げかけてくれる。人間なんかよりもよっぽど一緒にいたいと感じさせてくれる存在が本作品のOSである。

このストーリーは淡く赤みがかった独特な色調で、中盤までは甘い恋愛を楽しませてくれるのだが、終盤では話が変わってくる。恋人のOSは実は自分だけでなく、数万人と同じような会話をしていることを何気なく教えてくれる。そして、男は嫉妬により絶望の境地に立たされる。

人口知能が人間に近づくか?という話ではなく人間の心が人工知能に試される。なんとも言えない絶望を感じさせるのがこの映画のみどころである。

 

2001年宇宙の旅』では人工知能が暴走

ここで2つ目の映画の紹介する。もはや説明する必要もないくらいの名作『2001年宇宙の旅』。SF作家アーサー・C・クラークと名監督スタンリー・キューブリックの共同制作の脚本は人類の進化について哲学的な命題を問いかける。また、1960年代に作られたとは思えないような映像美も見ものである。

この映画で宇宙船の全管理をおこなっているのが『HAL9000』である

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彼は宇宙船内の人を殺そうとする。人間のために作られた人工知能が意思を持って、人類を越えようとする瞬間は映画史の中でもとてつもないインパクトとして印象に残る。

 

そして、エクス・マキナでは

恋心を芽生えた主人公は、人工知能を持つ彼女に恋をする。

彼女に恋をした彼は、閉じ込められている彼女を救い出そうとするが待っているのは…恐ろしい結末である。

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この映画を観た感想は、『her/世界でひとつの彼女』と『2001年宇宙の旅』をうまく昇華させた作品だと感じた。人工知能に対して人間はどう接するべきかを問いかけるような知的好奇心をくすぐる良作に仕上がっている。

 

紹介した2つの過去作品とあわせてぜひ鑑賞していただきたい。

 

プロ野球のコリジョンルール問題から学ぶ(ルールと行為の正しい理解について)

今シーズンからプロ野球に導入されたコリジョンルールが問題になっている。
まずはコリジョンルールの導入のきっかけについて理解し、その後正しい考え方について述べていく。

選手生命を危ぶまれる怪我がきっかけ

2011年にサンフランシスコ・ジャイアンツバスター・ポージーが本塁のクロスプレーで激しいタックルを受け、選手生命も危ぶまれる大ケガを負ったことがキッカケとなり、2014年からコリジョンルールが採用された。
*1

上記の理由によるアメリカでコリジョンルールが採用された。そして、プロ野球選手会も"クロスプレイによる怪我の防止"を理由に上記ルールの導入をNPBに要望したのである。

 

コリジョンルールにより問題になった試合

コリジョンルールが導入されたことにより、判定の覆るシーンが多く見られる今シーズンのプロ野球。特に感情的に大きなきっかけとなったのが先日のこの試合。

www.youtube.com

一度はアウトの判定になったもののその後のリプレイ判定により結果が覆った。覆った結果により、勝敗が決まったのだから負けた西武サイドが感情的になるのもうなずける。

ただし、コリジョンルールを簡単に理解すると以下のようになる。

1.本塁突入走者は野手に故意に接触してはいけない
2.野手が走路をブロックしてはいけない
3.野手が捕球しようとして走者の走路をふさぐ結果になった場合には1,2は適用されない
*2

従来のルールではこれはアウトであったにもかかわらず、コリジョンルールにより判定が覆ってしまい激怒するのはわかるが、今回は2に該当するためしかたないと捉えるべきである。

 

コリジョンルールに激怒する人たち

度重なる判定の覆しに激怒する人たちがいる。

www.sanspo.com

大久保氏は以下のように述べている。

今やルールを過剰に意識するあまり、腰が引けての追いタッチばかり。ファンサービス、捕手の技術向上にとって、新ルールはいいところがない。 

このように述べているが氏は間違っている。

腰が引けての追いタッチとあるが、新ルールを適用しているアメリカでは追いタッチは捕手の基本プレイとなっている。ルールを順守するためにはブロックを避けて、追いタッチをする必要がある。

捕手の技術向上にとって新ルールはいいところがないと述べているが、"クレスプレイの怪我を防止"するという目的があって決まったルールである。このルールにおいての捕手の技術向上は追いタッチの技術を磨くことである。

 

ルールと行為の正しい理解について

危険を回避するためというのが今回のルールを設けた目的であり、今のは危険ではない"行為"なのでセーフであるというのは間違いである。危険だからルールが設けられたのであって、危険でない"行為"だからセーフになるというルールではない。

危険かどうかというものを判断しやすい"ルール"に置き換えた結果、危険でないものを含んでいるのがコリジョンルールとなっているというのが正しい理解である。

その前提を踏まえたうえで、少なくとも野球評論家と呼ばれる人には正しい野球の見方をしてもらいたい。

 

ちなみにファンとしては怪我の防止という前提を覆して、危険だからスリリングでおもしろいとする評論家にもぜひ出てきてもらいたい。しかし、世の中の傾向として一度このルールを通してしまった以上、より怪我が増加する方向にルール改正するのは難しいだろう。

*1:ベースボールキング:慣れるまで1年は必要?「コリジョンルール」の導入で起こる問題 http://baseballking.jp/ns/column/60738

*2:NPB 2016年度 野球規則改正:http://npb.jp/npb/2016rules.html

アジカン後藤氏の反論から考える(意思なきフェスの乱立、祭りの後の虚無)

もはや夏の風物詩ともいえる野外音楽フェス。

日本4大音楽フェスの中でも大本命のフジロックに寄せられた批判について、アジカンの後藤氏が反論している。

headlines.yahoo.co.jp

 

本文内で後藤氏は以下のように主張している。

後藤は20日にツイッターで、「これまでいくつものNGOやアーティストがさまざまな主張をステージで繰り返してきたわけだし」と、フジロックと政治の関係性について述べ…

2015年のフジロックのアトミックカフェでは津田大介、細美武士らが川内原発の再稼働について警報をならしていた。よって、2016年以前でもフジロックでは政治的なメッセージを発する場を設けているのである。

 

「そんなことはいい、おれは純粋にフェスの音楽を楽しみに来てるんだ」

 

そんな声が聞こえてきそうであるが、そういう人はフェスの本質を履き違えている。

 

野外フェスの誕生は1969年、アメリカでおこなわれたウッドストック・フェスティバル。ベトナム戦争を起こした政府に対するカウンターとして生まれたヒッピーたちが集い、4日間で約40万人を動員した伝説のフェスである。

 

フェスの起源に政治的メッセージが含まれているのである。もちろんそこから発生したフェスにはそれ自体のレゾンデートルといえるメッセージが含まれている。

 

フジロックはメインのメッセージとして自然との共生や再利用などクリーンなイメージを打ち出しているエコなフェスである。

 

それも一つの政治的メッセージであるのだが、そこに対する反発は日本国内ではほとんどみられない。これが中国であれば、排ガス規制などをかけるような言説と結びつき、素直に受け入れられることはないであろう。

 

今やロックは死に、音楽は手軽に身につけてファッションのように聞くものなっている。また、フェスについてもメッセージもなく、単なる商業的なものが増えている。

 

後藤氏がいうように歴史のあるフジロックでは、メッセージを込めたアーティストが発表する場としたいという気持ちはよくわかる。でないと、メッセージがこもったフェスはなくなり、ただの商業的な動員の後には虚無しか残らないと思う。

 

SEALDSの主張も共産党の主張もそれ自体がフェスに相応しくないと考えるのは自由である。ただ、主張なき音楽だけを良しとするフェスを擁護する態度はいかがなものかと考える。